お墓に居ますか?

暑が続いてかろうじて生きながらえている状態であります、KO寸前、昨、深夜わが親が夢に現れた、さして歳を食った風でもなく、生前のままである、今頃突然出てきた何事かと思えば「お前、何か忘れてはいないか?」などという。

 たまげたが、私もなんとなく気になっていたので「明日は必ず墓掃除に行くつもり」と答えた、早速早朝、草刈機、鍬、鎌、ガンザキの手物を持ち先祖の墓所に急行、なにしろここ二、三年墓に行った記憶が無い、草はおろか竹、木などがさぞや伸びているに違いない、先祖もさぞや待ちわびているだろうと思いながら?。

 予想通り墓の姿は林の中に埋没、他家の墓に比べ誠に自然風である、「おのれ木々共、此処をなんと心得る、由緒ある我が祖先が眠るところであるぞ・・・」と独り言を言いながら、バッタバッタと木々を薙ぎ倒した、蚊が多い、覚悟はしていたが集団で襲ってくる、頭上から来るかと思うと脇腹の方からも来る、狙いを定め頭を叩き頬を叩きしていたが、なにしろ多勢に無勢反抗のしようがない、最後には「あなた達好きにしなさい?」と刺すにまかせる、可哀相な蚊である、私のドロドロの血を吸い栄養になるどころか最後には悶絶して死ぬであろう、あのウイーンという攻撃音は音階で云えば「ミ」だな〜と関係ないことを思いながら仕事を進めた。

 一時間ぐらい奮闘のあと、なんとか他家とも比べられるぐらいにはなった、やれやれこれで最後のお勤め、手を合わせ合掌しようと思ったが、なんと線香も無ければ数珠もない、まったく墓参りの基本がなってないのだ?・・・もうこれは一人笑うしかないのだ、スマナイ、スマナイと思いながら下山、しかしあんな所に本当に親が居るのか?。

ここで一句

ご先祖の影さえ見えぬ墓のそば

・・・それにつけても・・・すがすがしい気分だ!!