キャベツの悲哀

日間も雨は降り続き、灰色の空を見上げていると気分は滅入る、ふとテレビに目をやると、なんと丸々と太ったキャベツが四方八方地平線の果てまでも植わっている(少し大袈裟だが?)、凄いなと思って感心していたら端の方からトラクターに乗った悲しげな顔つきの運転手が、何を思ったかキャベツ畑を粉砕している。
 気でも狂ったかと思って見ていたが、聞けば最近は何処に行ってもこの状態らしい、豊作で値崩れ、収穫する手間代も出ない有様、物、豊富なれば値崩れるは市場の原理ではあるが、あまりにも惨い絵である。
 日本はその昔から食うものを粗末にしてはいけないの教えが脈々と続いていたが、ここに来て崩壊、米一粒をこぼして怒鳴られたあの精神は何処へ。
 政策で生産調整(トラクターで粉砕)をすれば一個だったか?1Kgだったか?聞き忘れたが27円の補助金が農家に支払われるという、さすれば農家の人には悪いが、見方によってはキャベツを国が買い取ったということにもなる・・・税金で?ならばここは国民に大盤振る舞いで配ったらいいのでは、おりしも今は歳の瀬、助かる人も大勢出る・・・キャベツ、白菜、大根で鍋、これはいい。
日の新聞では世界中で個人所得の多い人は日本が一番と載っていた、にわかに信じがたいが・・・なるほど私の周りにも金持ちはたくさんいる、さもありなん。

ここで一句

豊作で貧乏する国嫌な国

・・・それにつけても、わが家でも白菜はよくできた!!