紅葉を愛でる

晩泊まりで山陰地方、大山の麓に紅葉など見ようと出かけた、この歳になると花を愛し?木々を愛す?という心境になるもので、殺伐とした風景から逃れたくなるものである・・・な〜んちゃって。
 運のよいことに大山は頂に雪を少々被り、見ようによっては富士山かも?と思わせる雰囲気である、しかも目的である紅葉状態も今が絶好、山々は紅、黄色に染まり、私に絵心あれば筆も折れんばかりに描くであろうと思ったが悲しいかな、それも叶わないことであった。
 「すばらしい!!、綺麗!!」などとため息交じりの言葉の後旅館に到着、私が若かった時分には隆盛を誇っていた皆生温泉、奢る平家久しからずの例え通り今はひっそりと人影も無く、広大な庭など配する建造物も、平日のせいか、ほぼ貸しきり状態?。
 塩分質の温泉を浴び、いよいよクライマックスの夕食に突入、各々の膳には食前酒だけで、一品も置いてない、側にそれとなく「本日の御献立」なる一片が置いてある、、見れば食前酒〜止め椀まで12品・・・大袈裟なと思いつつ、ヨダレを垂らしながら待つこと数分、うやうやしくも仲居さんが最初の一品を持って登場、さすが最初の一品は景気をつける為か?松葉蟹、なかなか味もよろしい。
 「あなたは食べ方がきれい、残らず食べている」とお褒めの言葉、なに、こちとらは一片たりとも残すまいと必死、誰も見ていなければ殻まで食べようとの勢い、一品食べ終わると次が来るという趣向、いちいち仲居さんの能書き入りである、これには参った。
 珍しいものでは鯖のシャブシャブ、深く考えたら、たいしたことは無いがアイディアがいい、「風呂吹大根鴨味噌仕立」というのが登場、どんな大根かと思えば、大根の丸太切りの上に味噌が?堂々の一品である・・・わが家のおでんの方が美味?とかなんとか記したが、けっこうな味で満腹・・・満足満足の夜は更けた。
 朝食もどうせバイキングと予想してたら、以外にも豪華、粥と白御飯と二椀が最初から乗っている、多いめの品数、わが家の年一回の超豪華料理?よりも良いではないか(わが家の料理が悪い?)・・・まあ、そんなこんなで無事帰宅した。

ここで一句

食い気だけ溢れて過ごす旅の夜

・・・それにつけても、絶景であった!!