イノ吉

いぶ前から日本ではペットブームが続いている、日本国民も余裕が出てきたのか、少子化現象で子供代わりにしているのか、我も我もと犬を飼い、ネコを飼う、ちょっと変わった輩はワニなどをペットにして悦に入っている。
犬なぞはその昔(私が子供の頃)は泥棒避け、いわゆる番犬である、もっとも徳川時代はお犬様と呼ばれ民、百姓より上位に位置していたらしい、現在でもどちらかと云えば人様より犬の方が威張っている、ネコまでも上や下へともてはやされている、まあ平和な世の中だ。
そこでと云ってはなんですが、私も遅まきながらペットとやらをと思った、決して余裕なぞ、できたわけではありません、世のブームに乗ってみたかっただけなんです。
私、昨年あたりから少々イノシシ捕獲に入れ込んでいることは皆さんにも公言していましたが、そこで、イノシシに似た犬でもいないものかと、あちこちに問い合わせていました。
二月のある日、知人のK氏が「血統書付きではないが、あんたが望むような犬が手に入りそう」という、「それではお願いします」で話はまとまった、数日後彼が、わが家に連れて来た、なんと一目見て気に入った、可愛いのである(ペットの飼い主は誰でもそういう?)。
イノシシ特有のウリ模様まで体全体に浮かんでいる、なんという種類かと問うと「ただの雑種だ」という、まあ犬も種類は多い、親から子、子から孫へと歴史が繰り返せばやがて顔も、身体も崩れてくる。
妻と二人「可愛いな〜」「よく食べるな〜」と言っているうちにやがて三ヶ月である、なかなか食べ物の好き嫌いが激しい、食パンが一番の好物である、食パン、ソーセージ、板てんぷら、竹輪、ドッグフードの順番である、健康を考えて?バナナを口元に持ってゆくと嫌々に食べる、この調子ではだいぶ大型になりそうだ、この先思いやられる、ある日の私の独り言「こりゃ〜ひょっとしてイノシシではないのか?」
皆さん近くにお越しの時は見に来てください、名前を「イノ吉」といいます

ここで一句

年金に響くぞペットの食事代

・・・それにつけても、よく探したものだ