はるかなる波濤人間魚雷・回転

 四時ごろボケーとしてTV画面を見ていた、それは人間魚雷の話をやっている、時期はづれの番組だな〜と思いつつも段々と引き込まれて見るハメになる。
 戦後60年、よく聞く言葉だが、この番組は終戦の三週間前に魚雷で突っ込んだ日本の軍人側と魚雷で沈んだ米軍護衛艦のその後、つまり60年後の今がどうなのか、両国の家族の有り様を記録したものだった。
 特攻隊員は24才、護衛艦は120人あまりの戦死者、こう云う人たちには確かにドラマがある、特攻の若者には想う人あり、親もある、出撃一ケ月前に顔を合わしているが、死に行くことは何も語らず、爆死した後の遺品などからそのことが家族に知らされる、この悲しさ。
 護衛艦の残された家族の方々は一年に一回の慰霊祭が行われその日を偲ぶそうである、戦死したともしらず手紙を書き続けた妻、戦死した日のあとからも家族に手紙が来る、この悲しさ。
 救いがあるのは双方とも相手を憎んではいない、護衛艦側の家族の人たちが言っていた、特攻の若者を憎んではいない、彼は任務を全うした・・・・と、とにかく涙が出た。